BIATC受講生の声
奥川 友紀
九州大学大学院農学研究院研究教育支援センター 技術室 技術専門職員
私は、共通機器の維持、管理及び運用を担っている「研究教育支援センター」で技術職員として勤務しています。当センターで運用中の光学顕微鏡を担当しており、蛍光顕微鏡や共焦点・超解像顕微鏡などの利用支援を日々行っています。BIATCには3年前に参加いたしました。
私が光学顕微鏡の担当になり初めて共焦点顕微鏡に触れたのが8年前のことです。最初の数年は、顕微鏡の操作習得や利用される方への操作講習、依頼者に替わっての画像撮像などに力を注ぎました。しかし、機器操作に習熟するにつれて、「取得した画像で○○の解析を行いたいのですが、できますか?」「○○の解析がおこなえるような画像を取得してください」といった相談・依頼を受けるようになり、画像解析まで見据えた顕微鏡利用支援が求められていることを実感するようになりました。
画像解析の経験は皆無でしたので、最初は独学でImageJの解析手順から勉強しました。当時、BIATCは研究者を対象に募集されていましたので、BIATCへの応募を目標に、業務の合間に担当顕微鏡で画像を取得し、Image Jで解析を試したりしました。やがて簡単な解析なら実施できるようになり、また、担当機器によって取得された画像の解析上の課題点の把握ができたため、その年にBIATC受講を申し込みました。職場には、BIATCで得た知識・情報をどのように業務へ役立てられるかを具体的に伝え、出張を認めてもらいました。担当機器の支援に直結する内容であることを強調したこと、実際に利用者から解析相談があっていたこと、などが後押しになったと考えています。
BIATCで教えていただいた点はあまりに多くここでは書ききれません。具体的な解析手順については、言うまでもなく全てが役立つものでした。「画像解析のための顕微鏡選択」「画像取得時の注意点」などの講義は、共通機器の利用支援に従事する者として、まさに知りたいと思っていた内容でした。支援の幅を広げることに繋がると、わくわくしながら受講したことを思い出します。そして特に私は、あの濃密な3日間の受講を通じて“画像解析の概念”を理解できたことが最大の成果だと考えています。
受講後は、BIATCで教えていただいたことを、日々の顕微鏡支援に活かしています。担当機器を利用される方からの画像解析についての質問に答えられるようになりました。解析の目的に応じた顕微鏡撮像支援が可能になり、現在は、『顕微鏡画像の取得から画像解析まで』という、以前はできなかった包括的な支援を行えています。
画像解析支援に携わっておられる方、解析支援はされていなくても顕微鏡の支援を行っておられる方。ご支援の更なる高度化を目指し、BIATCで学ばれてみてはいかがでしょうか。