近年,顕微鏡やカメラの性能向上に伴い,多次元かつ大容量の画像データが得られるようになってきていますが,多くの生物学研究者にとって画像解析は難しい技法のひとつであると見做されている傾向があります.これは,顕微鏡の原理ならびに基礎的な画像工学に触れることでその障壁を引き下げることが可能となります.
また,生物学研究者と画像工学研究者との共同研究も近年盛んですが,画像工学研究者側は自身の研究テーマとして「新しい画像解析技法の開発」に関心を払うのに対し,生物学研究者側は生物学的問題の解決を目的とし,技術の先進性を必ずしも要求しない点において,両者の目的が相反することがしばしば見受けられます.
そこで,本トレーニングコースでは,実際に顕微鏡等の画像を扱っているが,その処理・解析については比較的初心者である生物学系の研究者の方々を対象に,「簡易な画像処理・解析は自分で遂行できるようになる」「技術的に高度な問題について専門家に適切な相談ができる基礎を体得する」ことを目指します.
- 現在,顕微観察画像を撮影しているが,それらの画像が画像処理・解析に適しているか自信がない
- 画像の解析・定量を行っているが,手法などが適切かどうか自信がない
- 画像の解析・定量やファイル操作を逐次手動で行っているが,煩雑なため自動化したい
- 画像の解析・定量について周りに適切な相談相手がいない
というような方を対象とした講習を実習を交えながら実施します.
また,最終日には本トレーニングコースにて学習した内容を踏まえ,受講者自身の扱っている画像データについてどのように処理解析するか,講師陣・受講者,皆で考え議論する時間を設ける予定です.
- 講師・世話人
- 加藤輝 [代表](自然科学研究機構 基礎生物学研究所 バイオイメージング解析室)
- 亀井保博(基礎生物学研究所)
- 小山宏史(基礎生物学研究所)
- 野中茂紀(自然科学研究機構 生命創成探究センター)
- 村田隆(神奈川工科大学)
- 谷口篤史(北海道大学)
- 西出浩世(基礎生物学研究所)
- 餘家博(基礎生物学研究所)
- 加藤愛(基礎生物学研究所)
- 斎田美佐子(基礎生物学研究所)
- 市川千秋(基礎生物学研究所)
- 中村貴宣(基礎生物学研究所)
- スーパーバイザー
- 上野直人(基礎生物学研究所)
- 藤森俊彦(基礎生物学研究所)